クレディ・スイスは新時代の金融機関システムに向かうのか?【2022年9月2日配信分】

※このニュースはWCL会員様向けのうち、1本分を抜粋、再編集して配信しております。

クレディ・スイス、顧客の暗号資産3200万ドルを保有──伝統的金融機関、暗号資産カストディに近づく

クレディ・スイス、顧客の暗号資産3200万ドルを保有──伝統的金融機関、暗号資産カストディに近づく

クレディ・スイス(Credit Suisse)は規制当局への提出書類によると、第2四半期末時点、数千万ドルの顧客の「デジタル資産」を保有していた。伝統的金融機関が暗号資産カストディ(保管・管理)事業者に近づいている事実が明らかになった。

クレディ・スイスは第2四半期の財務報告書に、3100万スイスフラン(約3200万ドル、約45億円)の「デジタル資産」を保有していると記した。

だが、詳細は明らかにされていない。

なお、前2四半期はデジタル資産の保有は報告されておらず、「デジタル資産」は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のような暗号資産ではなく、スキーリゾート運営企業の株式をトークン化したもの(デジタル証券)である可能性が高い。

クレディ・スイスは、SEC(米証券取引委員会)の会計ガイダンスに従って、デジタル資産の保有を明記したと関係者が明らかにしている。

本日のニュースに対する考察

まず始めに注意が必要です。

これ、日本語の記事タイトルでは【顧客の暗号資産】と書いていますが、原文の英語を見ると【Credit Suisse Held $31M in ‘Digital Assets’ for Clients Last Quarter】と書いています。

つまりDigital Asssetsということは、デジタル資産という意味ですから、釣りタイトル(読者にクレディスイスは暗号資産を管理していると思わせる)だと言えます。

ゆえに、暗号資産のあの字もないのが正解ですよね。

それがどうしたら暗号資産になるのか…コインデスクジャパンの信用性が疑われる記事タイトルですね。

それはさておきとして、そもそも何をもってデジタル資産としているのか解釈が分かれるところです。

仮想通貨界隈で言えば、暗号資産やNFTなど、物理的に存在しない、いわばネットワーク上でしか存在していないものをデジタル資産として解釈できます。

しかし例えば電子マネーなんかはデジタル資産と解釈できますし、ポイントなんかもそうですよね。

仮にそうだとしても、記事にあるような伝統的金融機関が暗号資産カストディに近付いているという解釈はちょっと違うんじゃないかと思います。

どちらかと言えば、伝統的金融機関と、暗号資産カストディ両方の側面を備えた新しい金融機関の誕生につながるんじゃないかなと推測してます。

新時代の金融機関システムって感じでしょうかね。

例えば現在の暗号通貨の交換は、暗号通貨業者の業者を通さないといけないという不便極まりない環境です。

無駄に高すぎる交換手数料も相まって、世間に広まりにくい原因の一つとなっています。

それが伝統的金融機関で取り扱うようになればどうでしょう。

今まで使っていた銀行のシステムの中で、気軽に暗号通貨を交換できるようになれば、もっとずっと世間に広がる可能性があります。

だからこそ、そんな未来の可能性を示している(少なくともこの記事を仮想通貨界隈に属する我々にとって都合よく解釈した場合)クレディ・スイスには、最先端の金融機関として大いに興味が湧いてきますね。

おわりに

時代とともに企業も変わっていかなければなりません。

でなければ生き残れませんからね。

もちろんそれらのサービスを利用している我々もそうです。

全ての環境がとんでもないスピードで変わり続けているからこそ、適応できる人と、取り残される人がでてきます。

残念ながら、その中で適応できた人だけが享受できるものがあるのが現実です。

であれば、我々は嫌が応にも適応せざるを得ません。

適応できなかった人たちの行く末は…あんまり想像したくはありませんよね…


WorldCryptoLaboでは、LINEにて不定期で暗号資産関連の情報を配信しています。 無料でご登録できますので、是非お気軽にご参加ください。 登録は>>LINE登録<<からどうぞ!