暗号通貨ATMはサービスの方向性としてはおもしろそうに見えるけれどその実は…

※このニュースはWCL会員様向けのうち、1本分を投資歴15年以上の筆者独自視点で再編集しております。

暗号資産ATM、都内で稼働開始──3年で国内130台を目指すガイアの狙い|2022年9月21日配信分


暗号資産ATM、都内で稼働開始──3年で国内130台を目指すガイアの狙い

ガイアという企業が暗号通貨資産のATMを東京都内で展開し始めたようですね。

このサービスは、シンプルに新しい試みだなぁといった印象を受けます。

とはいえ、手放しで喜べるものでもない問題を抱えているのも事実です。

暗号通貨を交換するまでに至る手間暇が大きな問題

暗号通貨の何が一番不便かというと、通貨に変換する際の手間です。

我々一般人が暗号通貨を手に入れようとした時、次のような手順を踏みます。

①日本円を暗号通貨取引所に送金

②暗号通貨取引所にて希望の暗号通貨を購入する

この手順ができるのは、自分が手に入れたいと思っている暗号通貨だったらまだマシです。

これが1回目の送金先に暗号通貨取引所に買いたい暗号通貨が無かった時はどうでしょうか。

①日本円を暗号通貨取引所に送金

②暗号通貨取引所にて送金用の暗号通貨を購入

③送金用暗号通貨を欲しい暗号通貨が売っている海外暗号通貨取引所に送金

④海外暗号通貨取引所にて希望の暗号通貨を購入

このように、購入までのステップが遠くなります。

つまり手間がめちゃくちゃかかるってことですね。

当然現金に変えようと思ったらその逆のことをしなければならないので、さらに手間がかかります。

これらが暗号通貨が世間に浸透しない大きな原因なのかなと筆者は感じています。

そこでこのガイアという企業が行おうとしていることは、暗号通貨を円に交換するだけの、いわば片側だけではありますが、とてもシンプルな構造に思います

ATMで暗号通貨を円に交換できるのは便利に見えるけれども…

記事内でも触れていますが、便利に見えるこのシステムにも大きな問題があります。

先に結論を申し上げれば、おそらく誰もこのATMは使わないことでしょうね。

その理由は、20%という高すぎる手数料設定にあります。

例えば10万円分の暗号通貨を交換しようとした時、2万円もの手数料を取られてしまいます。

これはいわばぼったくりと言っても過言ではないぐらいの高さです。

暗号通貨と現金とのスプレッドの差額が発生するのは当然としても、ここまで高いのなら、手間はかかるけれども取引所で交換⇒口座に送金したほうが圧倒的なメリットがあります。

そもそもとして、この時代にわざわざ現金を持ち歩く必要性がどれほどあるのでしょうかね。

筆者なんかは現金をほとんど持ち歩いておらず、財布に入っているお金は精々数千円です。

現金しか使えない自動販売機を使う時だけ、現金を使っている次元ですから、最先端の金融システム(暗号通貨)を使おうとしているのに、現金化するメリットがありません。

であるならば、現金にすることなく、電子マネーのように使えるような世の中にしていったほうが圧倒的に楽ちんだと感じてしまいます。

おわりに

苦言を呈してしまいましたが、システムとしては面白いものだと思います。

特にこの手数料問題を解決できれば、一定数の方には使っていただけるようなサービスになるのかなと思います。

ですが先ほど書いたように、そもそもとして現金化するメリットが非常に少ないことから、これを土台として、デビットカードのように暗号通貨を使った決済システムを構築していくような方向に行ってほしいなと思います。

PAYPAYの様な形の暗号通貨バージョンというべきでしょうか。

もちろんそういった決済システムに乗せるようになれば、国が黙っちゃいなさそうではありますが、もし暗号通貨を使った利便性を考えたら、そういった方向に向かうべきなのではないかと思います。

今回のサービス展開が、暗号通貨界隈の利便性の向上に一役買ってくれることを祈りたいものですね。


WorldCryptoLaboでは、LINEにて不定期で暗号資産関連の情報を配信しています。 無料でご登録できますので、是非お気軽にご参加ください。 登録は>>LINE登録<<からどうぞ!