
JPモルガンとSBIデジタルアセット、初のDeFi取引を完了
シンガポール金融管理局(MAS)は2日、米金融大手JPモルガン・チェースとSBIデジタルアセットホールディングスが、パブリックブロックチェーンを利用した最初のDeFi(分散型金融)取引を実行したことを発表した。
JPモルガンとSBIデジタルアセット、初のDeFi取引を完了|COINPOST
記事によれば、現金をデジタルトークン化し、それをJPモルガンとSBIの間で交換テストを行ったとのことですね。
今回のテストは、資金移動の抱えている致命的な問題の改善において、非常に重要な意味を持っています。
海外送金にここまで高い手数料がかかる理由
海外送金にかかる手数料は、とにかく非常に高いものです。
例えば三井住友銀行や三菱UFJ銀行なんかの海外送金手数料を見てみると、1500円+送金金額の0.05%で、最低2500円からとのことです。
これだけみても、尋常じゃない高さだということが分かりますね。
そもそも海外にお金を送金するには、色々とややこしい問題があります。
一番のポイントは、送り先の銀行に、送ろうとしている銀行の口座があるかどうかです。
例えば、三井住友銀行から香港のシティバンクに資金を送りたいとしたら、その香港シティバンク内に三井住友銀行の口座が開設されていることが条件というわけですね。
これが開設されていないと、その銀行に直接送金することができず、香港のシティバンクに口座を持っているかつ、自行の口座もある別な銀行を経由しなければいけません。
その銀行の事をコルレス銀行というのですけど。
(銀行の名前ではなく、経由する用の銀行全部の名称のことです)
ですので例えばアメリカのバンクオブハワイ(以下BOH)が香港のシティバンクに口座を持っていて、三井住友銀行がバンクオブハワイの口座を持っていたとしたら、このハワイの銀行を経由してシティに送金がされます。
この場合、バンクオブハワイがコルレス銀行になるということですね。
ここでタイトルを回収していくのですけれど、つまりこういった経由地が増えれば増えるほど、手数料が増えて行くのです。
海外送金をするだけなのに、なぜこんなにお金がかかるんだー!って思われる方は、こういったカラクリがあるのを覚えておくといいでしょう。
(そういった意味では、日本の銀行は海外の銀行に口座がそれほどないと予想されるので、送金手数料が莫大になる、ということが分かりますね)
海外送金手数料を徹底的に減らし利便性を高めるブロックチェーン技術
ブロックチェーン技術は、こういった資金移動の際の手数料や時間的束縛から解放するための技術にも転用できます。
上記した通り、銀行ネットワークを支配している特定の銀行が暗躍していることもあって、今まではいわゆるショバ代という名の高額な手数料を渋々払っている現実があります。
しかし今回の様なブロックチェーン技術を生かすことで、その領域に大きな風穴を開けてくれそうな匂いがプンプンします。
もちろんまだまだ問題は山積みです。
何しろ、この技術テストを行っているのがそもそもの巨大企業ですし、自分の記憶が正しければですが、元々の銀行ネットワークを牛耳っていた企業がこの領域に手を出し始めているわけで…これがどういう意味をもっているのかといった、考えるべきこともたくさんあります。
そういった部分を差し引いても、技術革新というレベルで言えば良い例だと考えます。
個人的には、個々人にとって非常に便利なツールとなってくれるのであれば、それはどこの誰が作ろうとも、そしてその裏に何らかの思惑があろうとも、とりあえずは良いのかなと思っています。
なにしろお金儲けの基本としては、いかに大衆を支配し、行動をコントロールするかが胆ですからね。
そして企業が存続するためには、自社のサービスを使ってもらわなければ元も子もありません。
それが経済活動というモノですし。
まぁもっとも、その度合いが行き過ぎていないかどうか…という点が問題なだけで、適正であれば(少なくともそう見えれば)そのサービスは使うに値すると思います。
だからこそ、とりあえずは今回のニュースにある現金のトークン化による資金移動テストは、非常に興味深いものと目に映ります。
おわりに
我々は地球というでっかい星の元に保護されております。
だらか本来はそこに境界線があることはおかしな話です。
それを我々のエゴで場所決めをしているだけで、本来はボーダーレスなはずなんですよね。
けれどブロックチェーン技術は、そんな本来あるべき地球の姿に、近付けていくモノなのかもしれません。
資金移動の領域においても、いよいよボーダーレスに向かっていきそうです。
今後の進展に注目したいものですね~
しかしそもそもとして、別にこちらの銀行口座にある現金を持ち出し、船を渡って移動させているわけではなく、向こうの銀行口座の数字を変えるだけの作業が、なんでそんなに手数料がかかるの?という最大の闇がありますが…それはまた別な話。
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※このニュースはWCL会員様向けに配信しているニュースのうち1本を、投資歴15年以上である筆者独自視点で再編集しております。